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3.伝世堅手小服茶碗
ぷつぷつと美濃ものなんかで云うところの柚子肌のような上がりですね。見込みには目痕が五つ、釉薬の厚いところには好ましい貫入が見えます。外側はグリグリと轆轤目が立って、口縁の一部にはべべラと呼ばれる変化が表れています。全体的に志野のような肌合いの茶碗ですね。
高台にも釉薬が掛けられていますが、一部にかけ外しが見られ、そこからねっとりとした土がのぞきます。柚子肌のピンホールにもこの高台にも、しっとりとした伝世味がしみ込んでとても好ましいお茶碗です。
一口に堅手茶碗と云っても、その色やかたち、上りの風情など千差万別なもの、そのなかでこんな味のいいものを探すとなると骨が折れるものです。
サイズ的に茶籠にお使いになるのもまた一興かと思います。
口径12.4センチ 高さ5.8~6.0センチ
朝鮮時代前期
味のいい伝世の箱に収められています。
口縁から入ったニュウを金繕いしているところが2か所、その他にニュウが1本ありました。
御売約ありがとうございます。
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