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朝鮮陶磁の特徴のひとつとして多様な祭器を作ったことが挙げられるでしょうか、粉引や鉄絵、あるいは掻き落しや象嵌などの粉青沙器、そして白磁など、名品から下手なものまでそれらを全部含めると膨大な数量になったと思います。
鉢や皿などの形状のものとはまた別にこの壺形のものはお酒などを入れたんでしょうか、しかもかなり堂々とした大きなもの、さぞかし立派なお家で使用されたんでしょうね。両班(ヤンバン)と呼ばれる特権階級の人々しか使用できなかったものと思います。
提灯壺などを作っていくやり方で全体を造形して、後から口縁部分をつけていくと思いますが、ここまで大きく立派なものをつくるのはなかなか大変なこと、焼成後に収縮することを考えるとこれだけ大きいのは注文品なのかもしれませんね。
大きく堂々とした素地に赤い斑紋の窯変が見事、はち切れんばかりの胴の張りも力があって美しいフォルムを見せてくれています。残念ながらニュウが大きく入っていますが、鑑賞するのに何の差しさわりもありません。フォルムとマチエール、その二つの魅力が欠点を大きく凌駕している一品と思います。
麻糸を使った敷物がありますので安定して飾って頂けます。大事に次世代に伝えて頂きたいもの、仕入れたときははだかだったので新しい桐箱を作って上げました。
長さ39.5センチ 高さ27.8センチ 奥行24.0センチ
朝鮮時代後期頃
画像でご覧いただけるように、口縁や胴下部を中心にニュウが回っています。
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