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南部箔椀 四つ組 その1
地味ながら根強いファンの多い漆絵の世界、その中で定番の折枝菊を配した南部箔椀をご紹介致します。三客ありますので、少しでも多くの方にお持ち頂き易いように分けてご紹介しております。もちろんまとめてと仰る方にもヴォリュームがあって見応えのあるものになると思います。漆の素晴らしい世界をご堪能ください。
岩手県は浄法寺の産になるもの、江戸時代には奢侈品として南部領から出すことを禁止されていたようです。もちろん庶民には高嶺の花、一部の特権階級の人々のみ使用を許されていたものでしょう。東北の厳しい風土、普段の質素な生活のその中でハレの日にだけ使用されるこれら、さぞかし当時の人々の目に鮮やかに沁みたのではないでしょうか。
収納に便利なように四つ組がワンセット、入れ子状になるように作られています。これは寺院の根来椀などとも共通するものですね。鋸歯文に配した金箔に黄漆の斜線、そして三方に菊の折枝を配しています。
漆ものの常としてどうしても傷みやすいもの、塗り直してまた使用するのが当たり前なので、これにもあちこち補修はあります。しかし古民藝の漆器が出なくなった昨今、この鑑賞に堪えうるレベルはありがたいものじゃないでしょうか。
きらびやかでありながら、東北の風土そのままの無骨で力強い漆絵の優品と思います。ぜひとも座辺でお愉しみ頂きたいと思います。
飯椀 口径12.2~12.6センチ 高さ8.1センチ
羹椀 口径11.5~11.8センチ 高さ5.0センチ
引入合子 大 口径10.7~11.1センチ 高さ3.8センチ
引入合子 小 口径10.4~10.0センチ 高さ2.7センチ
江戸時代中期頃
その1が三つのなかでは一番状態はいいと思われるものですが、それでも金箔部分の剥落などを金泥の漆で補修してあります。近世の補修ではなく江戸や明治の頃の補修と思われ、馴染んでおりあまり違和感はありません。
なるべく画像でダメージ部分は撮影しておりますが、経年の使用の傷みなどは厳密にすべて載せておりません。しかし漆ものであれば許容範囲であろうと思われるものを掲載させて頂いております。
御売約ありがとうございます。
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