|
和鏡を扱う書籍の巻頭にはまず瑞花八陵鏡がきて、ついでこの瑞花五花鏡がきます。
飛鳥から平安初期までつづいた、いわゆる唐式鏡形式から離れ、次第に和様化してゆく最初の形として位置づけられているわけであります。
描かれる双鳥も空想上の鳳凰から鴛鴦へと身近なものに変化してゆき、
もう一息で、羽黒鏡の儚い繊細さです。
なかなか出回る数の少ない五花鏡です。
その中でも出品の鏡は11世紀に上る更なるもの。
白銅質で状態も良好。表面を覆う、出土品特有の緑青も好もしいものです。
本体に大きなダメージはなく、平安金工の素晴しさを充分に味わえると思います。
鏡背(模様のある方)向かって右上部分、表面の荒れは制作時の鋳崩れ。
最後の画像は広瀬都巽旧蔵の今は京博所蔵になっている五花鏡です。
大きさ 径11.3センチ 縁高0.5センチ 平安時代11世紀 箱制作中
○ありがとうございました
|
|