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アイヌ関連遺物は日本の誇る民族美術ですが、明治以降 欧米諸国がいち早くこれらに注目したため膨大な数の優品が海外に流出してしまいました。その事が今日の世界的な評価に繋がったとは云え残念な事ではあります。中でもイクパスイ=酒箸（以前はひげベラとも）は、神への儀礼に欠かせない祭具のひとつ。
なぜかアイヌ関連遺物に関しては、しばしば第一級の品に出会える幸運に恵まれていますが、今回 入手の二点は地元 北海道のコレクターの旧蔵品。二点とも日欧米博物館の収蔵品と比較しても全く遜色のない、ミュージアム・ピースと言える優品だけに、よほど熱心な方がお持ちだったのでしょう。いまだ民間（しかも国内！）に眠っていたと云う驚きと共に出逢えた事に感謝！
☆ これまでに全く見た事のない極めて特異なパスイで、樺太アイヌのものとの事。手持ちのいくつかの図録にも樺太アイヌのものは類例が少なく未だ断定はできませんが、確かに北海道のものとは全く作行きが異なります。文様は植物文と考えられ、特徴的な枝状突起は、ライプチッヒ民族博やスコットランド国博の蔵品にも似た様な枝状を持つものが見られます。
本作最大の謎はこの突起部分の作りで、根元に花文の付いた側は本体からの一木ですが、逆Y字形の側は本体とは離れています。元々の枝を折り曲げて加工したものか、木塊から彫り出したものか判然としません。本体断面はカマボコ形で、背面先端部の▲の刻みはなく、『ト』字状の刻みのみあります。
◆ 長さ:30,4cm。本体は枝状突起の付け根部分で一度折れており、漆か膠かによる古い補修があります。他に先端部に極く僅かにソゲあり。ちなみに樺太ではイクパスイをイクニシと呼ぶようです。
・恐れ入りますが、お値段等はお電話にてお問い合わせくださいませ。今回の二点は、作として優品である事はもちろんですが、資料的な価値も含め、出来れば同じ方に持って頂ければ何よりと思っております。
090-4450-7524 又は 03-3563-5311
☆ ご売約ありがとうございました。 |
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