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無地刷毛目のお茶碗はかなりの数が作られていると思いますが、それこそ出来は千差万別、それぞれに個性があって興味深いですね。それは化粧掛けした白土に広がる味と、釉薬の溶け具合で様々な表情を見せてくれるところからきていると思います。
このお茶碗、豪快で大ぶりな一品、ガッシリとたくましい作りでどちらかと云えば男性的と云えるでしょうか。滑らかによく溶けた薄青い色がとてもきれい、大きめに削り出された高台は豪快な竹の節になって、内側まで施釉されています。
そして一番の面白味は見込みの景色でしょうか、目痕や降りものをゴリッと削られて、そこにお茶の味が染み込んでアクセントになっています。口縁付近にはむら雲のような茶染みが見事な景色を形作っていますね。白泥を掛けたときに干割れしたのか氷裂のようになっているところがあり、そこに薄緑の透明釉が流れ込み肌の味わいは抜群に面白く上がっています。
毎日のお茶に活躍してくれそうなお茶碗、抹茶の翠が鮮やかに映える碗相です。
口径14.2~14.7センチ 高さ6.9~7.4センチ
朝鮮王朝時代前期
桐箱に収められています。
口縁に2か所の金繕い、約2センチのニュウが1本、見込みに降りものや目痕を削った痕があります。
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