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数年前に扱った名品２点が嬉しいことに里帰りしてくれました！久しぶりに見てもやはり感嘆するしかないクオリティです！以下はほぼその時の文章です。
イクパスイ=酒箸（通称ひげベラとも）は、アイヌが神に捧げる儀礼に欠かせない祭具のひとつ。
これまでいくつかの優品・佳品を扱ってきましたが、本品は全長がほぼ40cm近い最大級かつ漆塗りの特注品。しかも『盛り上げ』の技法を用いたモノはこれが初めてで、間違いなくイクパスイの第一級資料と言えるもの。
本品の盛り上げは二ヶ所、まず上部の縦長いX字形部分は本体と一木造り（つまりこの厚さから削り込んである）、さらに中央には別材で作ったマキリ形（小刀）を貼付けてあると云う手の込んだ作り。その上、各部分に施された文様は一つとして同じものがありません。
アイヌは漆を用いなかったと言われ、“塗り”については津軽/南部藩など(浄法寺系)に発注していたそうです。
いずれにせよ、この様な極上品が極めて良好な状態で民間にあった事は望外の喜び。おそらくは集落の首長級の人物が使用したものでしょう。今日 入手し得る最高レベルの品であり、欧米美術館の収蔵品と比較しても遜色のないミュージアム・ピースと云えるのではないでしょうか。
◆ 長さ:39,5cm。江戸時代。裏面に『S』状の刻みあり。先端部の▲の刻みは儀礼上不可欠なものです。
アイヌ関連遺物は日本の誇る民族美術ですが、明治以降 欧米諸国がいち早くこれらに着目したため膨大な数の優品が海外に流出してしまいました。その事が今日の世界的な評価に繋がったとは云えなんとも残念な事、これ以上海外に流出させたくないものです。
☆ ご売約となりました。ありがとうございました。 |
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