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堅手茶碗と呼ばれるものが世の中にはたくさんありますね、これもそのうちのひとつです。しかし世の中にあまた存在する堅手のうち優品として賞玩されているのはほんの一握りのものだけと思います。
まずそれの第一条件として伝世であることが挙げられるでしょうか。これはしっとりとした艶肌、うっすらと赤みを帯びた色味、好ましい質感で伝世味が堪能できますね。また見込みのピンホールや目痕に染みた茶しぶも美しいポイントです。目痕の内側には薄く茶溜りができ、外側にはくっきりとした内底陰刻が施されてうつわを引き締めています。高台は竹の節、内側にも釉薬を掛けている上手の作りです。そしてその外側には施釉したときの陶工の指痕がアクセントになっています。
また伝世にはきわめて大事な共箱が添っていることがポイントでしょうか。箱の横には紙が貼ってあり所蔵印が押してあるようですが、これは不勉強でどなたかはわかりません。蓋表にはただ一文字・傍・とあります。かたわらに置いて愛玩したい思いからの銘じゃないでしょうか。
赤みのさしたこの肌にはとても抹茶のみどりが映えますよ。まだまだ寒いようですがそれももう少しのがまん、春の暖かい日差しのもと、野点なんかに持参しても気持ちの良いお茶碗かと思います。
口径14.2センチ 高さ5.4~5.6センチ 朝鮮王朝時代前期
伝世の桐箱に収められています。
口縁に金繕いが4か所、大きく欠損したものではなく他にも見られる釉むけを補修したもののようです。
詳細はお問い合わせください。
以前にご紹介していますが、現物の色を忠実に反映していないとのご指摘を受けましたので再度出品させて頂きました。 |
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