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面と云うものは、祭りに代表される非日常のハレの日、神に感謝を捧げ、ひいては一体化するための装置でした。それは勤労を強いられたつらい日常から解放される娯楽の最たるものだったでしょう。そんなときに神前で奉納する神楽を行うときに使用した狐面です。
造形としてとても優れているのは面打ち師の仕事だからでしょう、裏側に作者銘と思われる押印がありました。所有する神社の銘とも考えましたが、それは墨書きされることが多いので、やはり作者銘と考える方が自然かと思います。
下顎部分が無くなってしまっていますが、これは口にくわえて動かせるようにしていたようです。目には金泥が塗られ、単なる動物ではなく、超常的な存在を表現しています。眉間や裏側のノミ痕など作者の力量が覗えて、とても豊かな表現力を持った面です。
いにしえから狐はとても身近な存在でした、と同時に稲荷神信仰の重要なキーパーソンでもあったと思います。霊力を有する狐を、人々は恐れ、また崇めてきました。これも民間信仰の大切な遺産、次の世代に大切に伝えていって頂きたいと思います。
縦20.2センチ 巾15.2センチ 江戸時代頃
胡粉の剥落、擦れ、亀裂などがあります。また下顎部分の欠損、耳の部分は毛が植えられていたように思いますがそれは無くなっています。
御売約ありがとうございます。 |
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