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鎌倉時代 本紙 29.3cm×19.0cm
淡墨で生き生きと輪郭を描き、橙、緑青、茶で彩色した延命、除災を祈る閻魔天の図像抄です。
図像抄は原本に忠実な転写本がほとんどですが、至文堂『日本の美術』(浜田隆編)にも書かれていますように、図像抄はその本来のあり方から言えば完成画ではなく、厳格な仏画には見られない自由な制作態度、奔放な筆技こそが特色の素描的な筆致で、それはやがては描線の上で、絵巻物や水墨画にも少なからぬ影響を与えるようになったようです。
このように図像によって培われた作品は、それ自体が独自の芸術性を獲得しました。
この図像抄は松永耳庵の図録所載の明王部と一具の天部の巻の残欠です。
今まで目にした軸装や額装にされた同手の残欠のものには古美術菟集家でもあった安田靫彦や小林古径、梅原龍三郎の箱書きのものがあり、この作品は表装されていない状態でしたが、その当時に画家や数寄者によって分けられたようです。
精神性の高い鎌倉時代までのぼる仏画や図像抄は希少なので大切に伝えたいと思い、本紙が引き立つ色合いの古裂の取り合わせと寸法でさわやかな印象となるよう心がけて表装しました。
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