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会寧の製品は過去、いろいろと紹介させて頂きましたが、これはなかなかの珍品、水滴です。儒教の国の彼の地では文人は尊敬され、彼らが使用する文房具は宝物のような扱いをされていたようです。数多く作られた水滴もその一つでしょうか、多くは陶工のおこずかい稼ぎとして通常の製品の合間に作られたと云う説も聞いたこともありますが、それにしても実にいろんなバリエーションがあるものです。染付、鉄砂、辰砂、三嶋手、瑠璃釉、など、たくさんの技法が試されてきました。そんな中どちらかと云えば民窯の性格が強い会寧は釉薬のバリエーションはあまり無かったようで、壺や碗にたくさん用いられたこの藁灰釉が使われています。
青白く光る藁灰の下からほの見える灰釉の碧が鮮やかに光っています。水に濡らせばより一層きらきらと輝いてきれいですね、水滴は手の上で玩んで愉しめるのがいいところ、撫でさすって可愛がってやってください。
胴径9.3センチ 高さ5センチ 李王朝時代
全体に使用擦れ、注ぎ口に削げが見られますが、これはほとんどの水滴が使用時に何かに当たり削げているのを考えれば致し方ないところと思います。野性的な力強い一品なので疵があまり気にならないものと考えます。
御売約ありがとうございます。 |
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