|
唐津の堀の手は江戸後期ころからすでに数寄者に取り上げられ、その茶映りの良さや、やきものとしての魅力が知られていました。これもそんななかのひとつかもしれません。箱の裏には文政十一年の墨書きがあります。発掘とは云ってもごくわずかな疵とひっつき痕くらいですから、豊富な発掘物のなかから選びに選んだ一品なんでしょう。見込みは荒れていませんし、口縁のひっつきもそれほど大きいものでもないので、愉しまれるのに何の支障もありません。
またこの茶碗の魅力は深い器形と高台かと思います。口径はそれほど大きくないのですが見込が深く切り立って気持のよい持ち重りがします。また高台は大きく堂々として高めに削り出されています。深く抉られた内側には削り残された土が出っ張り、ちりちりとした皺が現れて目を愉しませてくれます。やはり唐津には高台の魅力がいっぱいなものがありますねぇ~。毎日付き合える気のおけない仲の茶碗になります、どうぞおいしいお茶を味わってみてください。コーヒーなんぞに使ってもいいもんですよ。
口径10.7~11.4センチ 高さ6.8~7.7センチ 桃山~江戸初期
口縁に金繕いが1箇所、ひっつき痕とその隣に降り物を取った痕があります。
御売約ありがとうございます。
|
|