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秀衡椀という雅やかなネーミングはいったい何時からそう使い出したんでしょうか、そしてその古格のある見事な椀たちはもうすでに戦前くらいから注目されて好事家たちを瞠目せしめていました。
お好きな方は「時代椀大観」など古い時代の本もご覧になられたことがあるかもしれません。また芸艸堂の「秀衡椀」にも魅惑的なそれらが数々掲載されています。
2026年6月に弊店が開催した「うるし繪抄」。長年蒐集してきた時代椀や盆などの漆絵ものをたくさんのお客さまにご覧いただき過分なお褒めの言葉を頂戴しました。その時の冊子にもこちらの秀衡椀は掲載させていただきました。
本来なら三ツ組み、あるいは四ツ組みとして伝世してきたものと思われますが、一番大きな飯碗(いいまり)のみになっています。そして春日杯と名付けられた盃と共に一つの箱に収められて現代に伝わっています。
これは想像するに、旧家の形見分けのようなかたちでお家に伝わっていた古い時代の椀がこちらに所縁のあるお家に伝えられていったようです。それが東京の美術倶楽部に持ち込まれて弊店が競り落としたものでした。
しっとりとした羊羹のような黒漆のベースの上に源氏雲、そこに菱形の切箔が置かれています。間の主文様は椿の花と思われます。椿には針描きで葉脈が表現されていて古格がありますね。見込みの朱はかなり黒みの多いもので、そこに味がしみ込んで断紋が出ていますね。
口縁はやや内抱え、どっしりと腰が張った下に八の字状に開く高台もやはり古い時代の特徴と思います。
参考画像は上述の芸艸堂発行の「秀衡椀」から。まったく同じタイプではありませんが、椿文を表現した若干時代の違うそれぞれを掲載しています。
こちらの椀もなかなかに負けていないと手前みそながら自負しております。
日本民藝館にも数々優品が所蔵されていますが、もうこれから先はコレクターさんが手放す機会以外は出ることがないかと思います。佳品をぜひ手に入れて眺めて愉しんでみてください。
口径14.0 高さ8.2センチ
桃山時代
桐箱に収められています。
口縁に小さな削げが見られます。その他擦れなどありますが、この手とすれば非常に良好なコンディションです。
お買い上げのお客さまに冊子「うるし繪抄」をお付けします。
詳細はお問い合わせください。
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