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鉄絵というのは安価な釉薬と思いますが、意外に数は少ないものかもしれません。もちろん白磁至上の国風ですから白磁が一番多いのも納得ではありますが、やはり庶民にとっては寓話が必要なのか、民画に出てくるような虎だったり龍だったりをはじめとしていろいろな絵柄が残っています。
それらは染付の絵柄に比較して、実に奔放で自由で楽しいデタラメ振りで魅了してくれます。染付のコバルトはやはり高価なものですから、しかるべき立派な絵柄が求められるのかもしれません。たいして鉄絵具はいろんなところで産出しますから、ある種どんどん好きなように描いていいよ、って感じなんでしょうか。
動物でも植物でもおよそリアルなものは無く、子供の描く落書きのよう、現代美術のジャンルの言葉を借りればアウトサイダーアートのようなものでしょうか。でもそこには冷徹な美学があるわけでもなく、あくまでも肩のちからが抜けた禅の公案のような無意識があるだけなんでしょう。
肩の張った時折見かける定番の瓶の造形に巴のような太極ような鉄絵が二か所、簡単な筆致で描かれています。馴れきった衒いの無い筆さばきですね。
この手はたいてい灰色の上がりで暗い印象のものばかりですが、めずらしく目に染みるようなきれいな白さを誇っています。裾の部分は貫入が入りここはまた表情豊かです。
口縁は欠損していますが、鉄砂ものがお好きな方はよくご存知と思いますが、この手はほとんどわざと口を欠いているものなのでことさらに欠点と云わなくともいいんじゃないでしょうか。頸部からないものよりこうして外への広がりが残っているものは造形的に不足もあまり感じません。
派手派手しい花より楚々とした緑の方がマッチするんじゃないでしょうか。味のいい棚の上で飾って愉しんでいただければと思います。
高さ22.3 胴径12.8センチ
朝鮮時代後期
桐箱に収められています。
口縁の欠損、胴にひっつき痕とニュウがありました。民窯の力強い造形なのであまりこれらは欠点としなくてもいいと思っています。
画像に出てくる敷板は付属しませんのでご了承ください。 |
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75,000円
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