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元興寺千体地蔵
彩色はあまり見えず、袈裟の紋様を描いた墨が残るくらいです。
お顔は軽く煤に覆われ、鼻と口を表現した一条の切込みが冴えて見えます。
全体的に直立しており、鎌倉後期から室町の様式。
宝珠を持つ左手と垂下した右手は、何度も倒れた際などに徐々に磨滅していったのでしょう。
肉眼ではあまりそうは見えないのですが、カメラを通すと手足の指先までしっかり彫られているようであります。
お顔の、煤が剥がれ白木が出ているところに目がゆきますが、暫く眺めていると静かに馴染み、調和が始まります。
一見すると地味な千体地蔵ですが、造形もしっかりしており、長くそばに置いておける仏様だと思います。
大きさ 像高9.8センチ
室町時代 箱無し
◉御売約:ありがとうございました |
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