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今日から神無月(出雲では神在月ですね)、暑かった季節もさすがに朝晩はひんやりとしていますし、虫の声も今も盛りと大きく聞こえてきます。
夏から秋にかけてのこの季節は秋草が出そろって、なげいれも愉しいものですね。そんな時に時代籠の花入はいちばんしっくりとくるものじゃないでしょうか。
用途は詳細にはわかりませんが、農作業や山の仕事の合間に道具や材料など入れたものと思われる籠、それに後から鉄金具を付けて掛け花入としたものです。もともとは両方の耳に紐を通して腰に結わえたものだったでしょう。
出来立ては竹の色そのままだったでしょうが、煤やらなにやら纏って黒くなっていて、これがまたみずみずしい花がきれいに映えるものになっています。
細かく緻密に編み込まれていて。胴の途中で編み込み方を変えているのは特に頸と胴下部が丈夫になるようにしているのじゃないでしょうか。そんな変化も愉しい一品ですね。
竹のシンプルなおとしもあってそのまますぐにお使い頂けます。
水引やほととぎす、秋海棠などが私の家では咲き誇っています。今度はお客さまご自身のお好きな花をお庭や山野で摘んで床柱などに活けてみて下さい。
高さ16.3 最大胴径12.4センチ
江戸~明治大正頃
御売約ありがとうございます。 |
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