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下野國分寺の創建瓦だと思われる、唐草文宇瓦の残欠、半分弱ほどです。
古瓦の製作は、簡略すると、バケツを逆さまにしたような模骨(型)に、粘土の付着を防ぐための布をかぶせ、その上に粘土板を巻き、上から叩きしめ、模骨から剥がして焼成、となります。その時使用された布の布目の粗密や、叩き占めに使用された道具などは、時代判定の一助になります。この宇瓦は、上面に残る荒布の布目痕や、下面に残る縄目痕から、奈良時代から平安時代にかけての唐草文宇瓦と判断できます。
「模様・製作技法からみて下野國分寺の創建瓦だと思います。『畿内と東國の瓦』331と同范に見えます」
と、大変お詳しい方からご教示いただいました。
参考画像(右上)は、下野國分寺の創建瓦です。飾った様子は画像(右下)にてご確認ください。下から2枚目の画像以外は、そのまま置きました。下から2枚目は布をかませ平に置いています。
瓦当面の優美な唐草文は、ほろりと落ちてしまったところがあり、それが一層、この古瓦の時代を経た美しさを伝えているように感じられます。
巾:14cm 奥行き:12cm 厚み:6cm 箱なし
参考画像:『畿内と東國の瓦』京都国立博物館
参考文献:『日本の美術 #66 古代の瓦』至文堂
『日本の美術 #171 國分寺』至文堂
『かわらの美 埋れた日本古代史』大川清 社会思想社
どうもありがとうございました
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