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江戸前期頃の古武雄です。
胴径(D):約25.9cm 高さ(H):約28.7cm 底径(BR):約10.0cm
古武雄らしい豪快さと、透明感のある緑釉が特徴の四耳壺です。
素地は厚く、陰刻の花は力強く、奔放に描かれています。
しかし上部の緑釉には驚くほど透明感があります。
下部の鉄砂のコントラストとも相まってより魅力的に写ります。
こうした豪快さと、釉薬の発色、濃淡の妙味が古武雄の魅力といえます。
器形は花が描かれた胴部が、自然と目に写るように作られ、決して野放図ではなく、見る、遣うことを計算して作られたことが伺えます。
鉄砂部に垂れた緑釉も良い塩梅です。
『発見 江戸のモダニズム 古武雄 独創 ――忽然と現れた華やぎの世界――』P208と
『古武雄 ――ふるさと大地の記憶』P198
に同時代程度の類品が記載されています。
瑕疵はありますが、写真の通りあまり問題にはならないと思います。
耳の修理も違和感がない形で、こうした景色を邪魔しません。
古武雄の魅力が存分に詰まった逸品です。ぜひお楽しみ下さい。
(注):口部にニュウと修理、耳部分に修理がございます。ニュウ部分は写真に印を付けましたので、ご確認・了承の上、ご購入下さい。 |
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