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俳句の世界は今まではおじいさんの暇つぶしみたいなイメージがありましたが(関係者の皆さまごめんなさい、先に謝っときます。)、昨今はテレビ番組でも取り上げられていて、もっと幅広い層にもアピールするものであり、五七五の制約の中で如何に現代を、あるいは詠者の見た風景を表現するかの知的で深い言葉のパズルである、ということが少しは伝わってきたのではないかと思います。
江戸時代には俳聖である芭蕉翁という大巨人が存在しますが、近代の俳句の父は正岡子規であるというのはおおむねどなたもが賛成してくださるでしょう。その子規門下の二大巨頭が高浜虚子と、今回ご紹介する河東碧梧桐の二人であります。
御存知なかった方にも簡単に説明させて頂くためにごく大雑把な言い方をしますと、虚子は伝統的な定形俳句というトラディショナルスタイル、対して碧梧桐は伝統を踏まえつつもそこからの逸脱で新しい境地への到達を試みた自由律のアナーキースタイル、といったところでしょうか。若いころには厚誼を重ねた二人も作風から対立して袂を分かつかたちになったようです。
句は「並木風 吹きとほる 行きゆきて 稲の穂白む」とあります。稲の穂が季語と思われますが、白むとはどういうことなのか不勉強で知らないので、もしお詳しい方がおられたらお教えを乞いたいと思います。
この句も五七五をやや離れて自由に風景を詠んでいるようですね。
短冊の裏には昭和元年十二月二十?日と年号が入っていますね。昭和元年は西暦1926年、碧梧桐は53才の時になるようです。
自由な新興俳句運動に携わった人だけに、その書も独特の味のある字を揮毫する人でした。中国の古典などから引用した書体を自分の中で消化して生み出したという感じでしょうか。
上品な和額装で洋間にも掛けやすくなっています。
額装 縦65.4 横27.6センチ
画像にありませんが、額を入れる段ボール箱も付属します。
額の一部にごくわずかな擦れなどがありますが、気になるレベルではありません。
御売約ありがとうございます。
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