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朝鮮という国の古陶磁はやきもの好きの心を捉えて離さない魅力が満載のジャンルでありますね。ものの本にある極端な表現の一つに「やきもの好きは李朝と信楽で死ねる」なんてことも書いてあったりしましたが・・。
それは行き過ぎた言葉ではあるかもしれませんが、云わんとする意味は、このやきもの達に夢中になった方ならば容易に理解できるでしょう。
そんな中の一つ、日本では三嶋手、彼の地では粉青沙器の一種と呼んだりしますが、酒器にお誂え向きの一品ご紹介します。
もともとは小皿の一つなんでしょう、しかしよくある端反りの形ではなく、唐津などに見かける馬盥形。ですから深さがあってちょうどお酒に向いた器形です。胴の表裏と見込みに輪線状に陰刻し、そこに化粧土を掛けてから拭き取り、最後に透明釉を掛けて仕上げています。ごくごくあっさりとしたものですが釉薬が厚く、そこに入った貫入の味と薄青く発色した釉薬の対比がきれいなものですね。
意外に見ないこのかたち、端反りタイプではかなり口径の大きすぎるものが多いのですが、垂直に立ち上がるこれは手の収まりも具合がいい。
まだまだ成長途中の酒器、今度はあなたが育ててみて下さい。
口径9.2~9.5センチ 高さ3.8~4.0センチ
朝鮮時代前記
佐波理の蓋物に収められています。もちろん見立てで、もともとこれは莨の葉を入れたものと思います。これも朝鮮の産であろうと思われます。
画像にあるように燻銀繕いが1か所、その他に目立たないごく薄い削げが2か所ありました。
最後の画像にある折敷は付属致しません。
御売約ありがとうございます。 |
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