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半蔵門ギャラリー 経筒  

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埋経を護持してきたオーラが感じられる、きりりとした経筒です。
一般に経筒は、時代が上るほど大きく、時代が下がるにつれ小ぶりになっていく傾向があるのですが、本経筒は、藤原時代の経筒の気品がある、法量だけ一回り小振りの、希少なものです。お茶室に映える姿です。

以下、『経塚遺宝展』(奈良博)経塚概説より抜粋です。
「経塚とは経典を埋納した仏教遺跡である・・現在のところ、わが国だけに限られるもので、中国その他には見られない・・はじまりは平安時代の十世紀の終わりごろと推定される・・経典を弥勒再生の期まで、地下に埋納して保存しようとする信仰活動がさかんになり、経典埋納の経塚築造のことがおこった」

この経典を地中に埋納する際、直接紙本経を納めた容器が経筒です。材質は、銅、鉄、石、陶磁さらには竹など様々、また姿も、主に蓋に装飾を施すなど色々でした。その容器は更に、壺などの外容器に納められ、時に擂鉢で蓋をしたり、木炭を周りに充填したりして、大切に土中に埋められました。

このように材質、姿も種々あるなか、本経筒は一般的な銅製筒型で平蓋ですが、「平蓋といってもまったく平面的なものは稀である」(*)とあるように、実は希少性の高いフォルムです。極限まで装飾をそぎ落とし、洗練された姿に、気品のある精緻な造りから、関西、それも都造り、藤原時代まで上ることは疑いの余地はないと思われます。

参考画像は『経塚遺宝』(京博)の単色図版の最初のページを飾る、鞍馬寺経塚出土の鋳銅製経筒(筒身)で、実寸(筒身高 : 21.1 cm 口径 : 9.4 cm)の3/4とあります。まさに本経筒の実寸です。また、底の造りも同じのせ底、蓋も、現在は欠くも、被せ蓋であった痕跡が残されているとのことから、本経筒は鞍馬寺経塚出土の、平安時代後期の作と認められる鋳銅製経筒と、少なくとも筒身は相似形であり、このことも、本経筒の製作時期を藤原時代とする傍証と思われます。

状態もとてもよく、筒身は無キズで、肌には仕上げの轆轤目が美しく残っています。深く黒ずんだ肌から、おそらく塗銀仕上げが施されていたものと考えます。蓋は、周りの立ち上がりとの接着部分にうっすらとひびがあるのと、中央に大きく割れが入ります。その大胆な割れも、梅の古木の枝ぶりを見るようです。内面は美しい緑青錆が覆っていますので、蓋をあけ覗いてみる楽しみもありましょう。

箱には、藤原期経筒との墨書と、百六五経筒との貼り札があります。お箱の紐は、おそらく切れた為、短く、結ぶことはできません。古い破れた仕覆に収められていますが、浅葱地に金銀の刺繍の施された美しい古裂です。実際のご使用は中々難しいですが、大切に伝えられてきた証です。出土地は不詳ですが、鞍馬寺経塚出土のものと相似形であることは、同じ出土地の夢があるように思われます。
総高 : 17.4 cm  筒身高 : 17.1 cm  筒口径 : 7.6 cm

*『仏教考古学講座』石田茂作監修
 


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