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木彫漆箔の阿弥陀如来坐像を紹介します。均整のとれた体躯にほんの僅かに捻りを加え柔らかなモデリングを獲得しており、一瞥すると定朝様式が脳裡をかすめる程のバランスのよさです。大部分に箔の剥落を認めるものの随所に厚い金箔が残存しており、往時の美麗な御姿を想像するに余りある小像ですが、木取りや細部の仕上げから鎌倉末期から南北朝の作と判断しております。
写真にも書きましたが右大腿部に欠損が生じたのでしょう。仏師による別材の嵌め込み補修があり、また鼻翼と上唇に精巧な補修がある可能性を書き添えておきます。状態につきましては仔細に確認しておりますし肉眼では痕跡を見つけられませんでしたが、あくまで私の印象です。その点を御承知置きくださいませ。存在感を感じさせながらも高さ五寸強の小像ゆえ御宅にお迎えしやすいお品かと存じます。宜しくお願い申し上げます。
高 170mm
最大幅 145mm
奥行 110mm
付属品:上桐箱、紫平絹中綿入包裂
鎌倉後期〜南北朝(14世紀頃)
◎御約定:早々ありがとうございます。 |
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