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径4センチの底面から、径8センチの球形の胴部へと、風船を膨らましたかのようにふわりと膨らみ、さらに緩やかな曲線で肩からほぼ直立に立ち上がる頸部、そしてゆるやかに開く口をもつ壺型土器です。
この壺、一見、端整なようですが、ぐるり一周回すると、胴部の膨らみなのか、肩から頸へと向かう時なのか、微妙にかしげ、可笑し味のある姿を見せます。
経年の風化によるものか、いっ時水中にあったものか、表面は削られ、荒い砂つぶが肌一面ぷつぷつと顔を見せ、所々キラリと光ります。この、触れるとざらつく、肌の面白さも魅力です。
状態は、口辺の欠けだけですが、それも時代を経た柔らかな表情に映ると思われます。
このまま鑑賞されても、落しを入れて花を添えても良い小壺です。
時代は、縄文晩期から弥生時代にかけてのものだと思います。
高さ:10.5 cm 箱なし |
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