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ただ単に板とご紹介していますが、用途は上がり框などに置く踏板であったように思います。ただ側面に持ち手用の窪みが穿たれていますので、作業板としても使用されたかもしれません。あるいは途中からお役目が変わるといったことも考えられるでしょう。いずれにしてもどっしりと大きく堂々としたお姿ですね。
表面は長い年月擦られてつるつるの質感、きれいな木目が浮き出ています。踏まれてそうなったのかどうか、天の部分はわずかにアールが付いています。
なにより安定することが重要であったでしょうから、とにかく重く丈夫、そして堅い欅材が選ばれています。これが持ってみるとホント重い!縁の下の力持ち的に人々のくらしを支え続けてきたものなんでしょう。
裏側を見てみると中心を浅く彫り窪めていますね。これは反りを防止するためと据わりを良くするためのものと思われます。側面の持ち手やこの裏面の斫り痕などもこれの見所でしょうね。
重厚で頼もしい存在の木のものは好きで事あるごとに紹介してきましたが、ここまでの存在感を持ったものはなかなか最近は出てこなくなりましたね。
今は敷板として一輪挿しでも乗せてあげましょうか。
横76.5センチ 奥行39~40.0センチ 高さ10~11.5センチ
エッジの部分に虫食いで荒れているところがありますが、とにかく堅い素材なので表層部分で止まっていますので、脆いといったような不安感はありません。これもまた経年変化のひとつの味と思って頂ければと思います。
御売約ありがとうございます。 |
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