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半蔵門ギャラリー 法隆寺百萬塔  

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造られた総数百万に因み、百萬塔と称される奈良時代の木造小塔です。
高さ約21センチ、控え目な印象の小さな塔ですが、見ていると、その均整のとれたフォルムが静謐な空気を醸し出すように感じられます。また手に取ると、時を経た艶やかな柔らかい檜の肌や、古い檜特有の細かい年輪の美しさも鑑賞いただけます。

物の本を参考に、百萬塔が造られるに至った歴史的背景を簡単にご紹介すると次のようです。
天平宝字8年(764)の惠美押勝の乱(藤原仲麻呂のクーデター)が起こり、その鎮圧後、時の天皇、孝謙天皇は事後処理の一つとして
「小塔を作り陀羅尼経を安置すればその功徳で一切の罪が消え悪賊や怨敵が自ら鎮まるとあることから、百萬塔を製作した」(*1)

造りは、相輪部と塔身部からなり、塔身部は檜、相輪部は細工に適したより硬い桜などで造られ、塔身部の中央には小孔が穿たれ、陀羅尼経が納められました。相輪部の請花上面、塔身部の底面などに製作時の工人による墨書が確認できることも多く、本百萬塔も、判読不能ですが、相輪部請花上面(画像中央一番上・右端)に墨書が確認できます。

百萬塔は伝来時の環境により状態は様々です。本百萬塔は、塔身部は一番上の傘の三分の二、中央の傘の半分弱が補修、相輪部は、宝珠先端若干欠失および、請花・宝輪に欠け大小三ヶ所あります。ご覧いただければお分かりのように、シルエットに違和感はなく、補修箇所は薄茶に塗っていますが、古い直しのようです。

惠美押勝の乱に至る背景や真相は複雑で、現代人の理解を超えるところがあるようにも思われるのですが、百萬塔が天皇の祈りから生まれたということは不変で、この厳粛な事実が、千二百年の時を経た今も、見るものの胸を打つように思われます。 天平神護三年(767)
皆様のご多幸を祈り、今年最初のお品としてご紹介いたします。


・欠け・補修部分の画像をご希望の場合はお申しつけください。
・陀羅尼は「自心印陀羅尼」
・あわせ箱
・『大学への数学 2019/1 』東京出版の「数学活用の実際」というコーナーに「年輪年代学 ~法隆寺百萬塔の年代特定~」(吉田信夫著)という興味深い論考が掲載されています。一部、数学の専門知識を必要とする部分もありますが、年輪の見方など分かりやすく紹介されています。ご興味のある方は是非ご一読ください。


*1『昭和大修理完成記念 法隆寺展 昭和資財帳への道』
 


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