骨董をもっと身近に fufufufu.com
初めての方 全商品 ログイン 新規登録
 検索/品名  価格 円~ 円  ジャンル

半蔵門ギャラリー 木彫千手観音像  

お店紹介

店主紹介

その他の商品

御売約
※画像をクリックすると、大きな画像が表示されます。
     
 
高さ40センチ弱、量感豊なとても古い木彫千手観音像です。大きく垂れ下がった両耳朶にかかる黒髪、鼻と口だけをざくっと刻んだ十一面を頭上に飾り、やや傷みがあるも、むっと結んだ口と一点を凝視するかの双眸、古い神像が持つ神秘的で荘厳なオーラを放っています。

千手観音
「正しくは十一面千手千眼観音という。この観音には・・・十一面観音の徳を具するとともに・・・一切の衆の苦しみをその目で見、その手で救って下さるという。観音菩薩の救済活動の絶大なるを具象的に表したものである。この尊を念ずれば、延命・滅罪・男女和合・転女身等の利益があると説かれ奈良時代末期頃から平安・鎌倉時代にかけての信仰が盛んであった」(*1)

頭上に一周、十一面を飾り、また現在欠失するも、千手を表現しようとした跡が、胸前にて合掌する手、腹前にて鉢をささげ持つ手および分厚い側面に残る小孔などから確認できます。

時代はいつの頃のものでしょうか。
・顔貌を見ると、平安の神像に見られる、はれぼったい瞼や上唇をやや前へ突き出す表現、地方作ということもあってか、貞観仏を思わせる全身のアンバランスが目につきます。
・木取りについて、前面ははっきりしないのですが、背面は、後頭部はまるで左右から中央へと髪をくしけずったかのように、臀部はその丸みが感じられる同心円を描くように、裳裾にかけ天衣が左右に広がるように、それぞれ年輪が現れています。
・その年輪も大変目が細かく、時代の木のもの特有の、肉身を思わせるなめらかな肌を呈しています。
・衣文の彫りも、特に側面など深いのですが、強かったであろう彫り口は、どこも皆まーるく、経年による柔らかなフォルムとなっています。
等々、平安初期の貞観彫刻の影響が、地方への伝播に時がかかった、平安後期の作である可能性を考えております。

脇手を欠失するも本手(胸前にて合掌する手と腹前の鉢を捧げもつ手(*2))を残し、「一切の衆を苦しみから救ってくださろうと」今も祈っている有難い神様仏様の姿だと思われます。

像高:35.5センチ  総高:38センチ  

北関東ででたと聞いております。僭越ですが、北関東から東北地方にかけての作と感じられます。
時代の比定には、東北地方の木彫仏(*3)を参考といたしました。
自立するのですが、若干傾くので、台を誂えました。
補修その他、一切手が入っていません。


参考文献
*1『仏教美術の基本』石田茂怍
*2『仏像鑑賞の基本』久野健著 里文出版
*3『祈りのかたち 東北地方の仏像』東北歴史博物館


どうもありがとうございました
 


Copyright (c) fufufufu.com All rights reserved.