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古童 朝鮮 鶏龍山 酒盃  

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朝鮮半島の西部、忠清南道は鶴峰里の古窯、世にいう鶏龍山で焼かれた陶磁は天衣無縫というべき筆使いの鉄絵で有名ですね。またここの陶土は鉄分の多いもので、白い器を焼くために化粧土を掛けていて刷毛目や鉄絵下地の白さが昔から賞玩されてきました。

鉄分の多い土というのは耐火度が低く、ちょっとでも窯の中で温度が上がり過ぎると製品がヘタってしまって使い物にならないので、当時はとても歩留まりの悪い非効率的な窯であったと思います。しかしギリギリのヘタる手前できっちりと焼けたものは、それはそれはピカピカと光るつややかで湿潤な膚合いを持っていて、この膚こそ鶏龍山の魅力の柱と云えましょう。

明治から戦前頃にはこの鶏龍山も大いに発掘されて、日本にも数多く請来されてきています。特にここの窯はヘタリ、歪み、ひっつき故に物原に捨てられたものが膨大にあったようで、それらが当時まだ豊富にあった陶片などで繕われてお茶や懐石道具、あるいは鑑賞として取り入れられていました。

そんな影響もあって、名残の茶事などであえて疵物を使用するときに鶏龍山を用いたり、普段疵物は大いにマイナスになるものですが、この窯のものに限って如何にもらしさを喜んだりということが大いにありました。

これもそんな時代の請来品と思います。

もともと生まれは皿でしょう、けれど昔からここの窯ではあまり小さいものはそう作られていなかったので、盃に見立てられるのはこの小皿類であったと思います。その歪みを編み笠などと呼んで面白がっていたのも日本人独特の視点でしょうね。

見込みがフラットで広く、立ち上がりがヘタりによって急角度になったので馬盥形のような盃です。斜めに傾いでいるのですが、これ以上温度が高いと危ないという手前でかろうじて踏ん張ってくれたおかげで、お酒はこぼれずにすみましたね。

そしてこれはその刷毛振りの元気の良さがいい所、すごいスピードで「の」の字をかくように濃く薄く思い切りの良い化粧掛けです。干割れのようなチリチリしたところや、暗緑色の釉と刷毛の白さの対比がつやつやとして魅力と思います。

見込みにいくつか火ぶくれが出来ているのもよく見かける光景、元気が溢れて止まらない膚が愉しめます。実際に私も使ってみて濡らした膚の見事さは確かめています。

お仕立ては柔らかい木綿の包布、更紗文様の風呂敷、入れ物はおそらく刻み莨入であったように思いますが。それを見立てとして流用しています。桐箱にきちんと収められているのも気持ちがいいのですが、これはまた別の面白味があると思います。

お皿ですので少々大き目ではありますが、見込みの景色がたっぷりと愉しめるところがいいですよ~!と贔屓目で見てあげたいと思います。

口径11.1~11.6センチ

朝鮮時代前期

画像でご覧頂ける様に、口縁部に三辺の呼び継ぎ修理、その他小さい削げや白泥の剥離を、いずれにも燻銀の丁寧な繕いが施されています。

また畳付の一部に安定させるように共色の直しが入っています。これは目砂を取ったときに素地も少し持っていかれたのを平らにするために入れているように思います。

御売約ありがとうございます。
 


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