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古美術 吉戸 中国北斉ー唐時代 白玉座仏  

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小作ながらも非常に彫りの良い中国北斉から唐時代(6−8世紀頃)の白玉座仏残欠です。蓮弁の台座に座った形式の如来様で、袈裟とその下の僧祗支と呼ばれる衣の様子までもが細部に渡って良く彫られた名作です。”偏袒右肩”という着方をしており、これは右肩を偏(ひとえ)に袒(はだぬぐ)着方で、仏教の本場インド発祥の着方です。偏露右肩、偏袒一肩、偏露一膊とも言います。

本来、右肩を出すのは手を盛んに動かし働く給仕者の通例であり、「あなたに御仕えします」という如来に対する敬意を表します。また、攻撃に使う右手を露にする事は、攻撃する意志がないことを示すもの、或は、食事など清浄なことに使う右手に対し、左手は不浄なものも扱う手なので覆って隠す、などの考え方もあります。

本作は如来像です。通常、如来様は両肩を露出し薄い衣をかるく纏う程度の場合が多いと現在では言われておりますが、当時の中国ではこのように偏袒右肩で袈裟を纏った如来像が無数に存在し、現在でも雲崗、龍門、敦煌、麦石山など全ての有名石窟寺院でその姿を多数見る事ができます。恐らく、当時は特に厳格な規定はなかったのか、如来の中でもおしゃれな如来や明王など、役割に応じて衣装が異なっていたのでしょう。

当時、数千万体を超す数制作された全ての如来さまが一様に薄衣だけでは、見る者達も飽きてしまいますし、質素すぎて分かりやすい荘厳さが損なわれ、信仰心が薄れます。恐らく、一つの彫刻作品として、菩薩様や明王のようにデザイン性や芸術性の面を重視して、本来は高僧の衣装である袈裟を纏わせたりしたのだと考えられます。中国では現在考えられている仏教的な約束事は必ずしも守られておらず、多種多様自由闊達で芸術性の高い”仏教美術”としての石仏作品が多数、遺されています。

私はかつて中国を二週間かけて列車と飛行機で4000km移動しながら数々の石窟寺院や数多くの国家級博物館で数十万体を超す石仏を見て、触れて良い作品には可能な限り全て触れて勉強してきました。(観光地化されていない田舎の石窟寺院では未だに地域住民達が石仏様にお供え物をして、頭を垂れながら仏様の足の甲や膝をさすり、祈りを捧げている。私もそれに倣い、撫でさすった)苛烈を極める幾多もの廃仏毀釈を経て、破壊された状態で残存し、壊されても、朽ち果て、打ち棄てられても尚、その気高さと荘厳さを有し、自らに行われた赦されざる野蛮な破壊行為さえも赦すかのような悠然とした深みが感じられる作品です。

ミロのヴィーナス、サモトラケの二ケではありませんが「欠損により完成された美」なのかもしれません。勿論、お顔がある方が素晴らしいのでしょうが、残欠となった現在でも、「本来はどのようなお顔だったのだろうか」と永遠に美しき空想を思いめぐらせることができます。それに、お顔が付いていれば、お顔の雰囲気次第で数百万円とかしてしまう場合もあります。あるがまま、今、この状態でこのようにしてあることすらも、全てこの如来様のご意志なのかもしれないなと感じます。

以前より出品しておりましたが、多くの専門の方から唐時代の作品ではないかと指摘を受け、その可能性もあるので(顔が無いから断定が困難ですが)時代の幅を広げ、価格を見直し、撮影をし直したので再出品させて頂いております。

産地:中国
時代:北斉ー唐時代
状態:残欠
寸法:高さ約13.5cm 奥行約9.5cm 横約11.2cm
次第:箱、木台
来歴:日本個人

税送料込価格
320,000円


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