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古美術 吉戸 漢緑釉薬猪豚傭一対  

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中国漢時代のとても珍しい緑釉猪豚傭一対です。来世でも食料に困らないように家畜を人形にして、副葬品として使用されたものです。シルバニアファミリーやリカちゃん人形ではありませんが、猪小屋や井戸や食器セットなどなど、生前に使用していた親しみのある身の回りのほぼ全てのミニチュアが存在します。その造形の良さや作り込みを見ていると、本気で来世を信じていた事が分かります。今生は人生の半分。死んでからが折り返し地点でまた来世で一生が始まると本気で信じていたと思いますし、或は来世というものが本当に存在するのかもしれません。ですので、死をそこまで悲観しておらず、「折り返し地点」だね。とも考えていたのではないでしょうか。

この猪豚に限らずですが、副葬品の丸っこい愛くるしい造形をみていると、思わず笑ってしまいそうになる愛くるしさや人懐っこい雰囲気が多分にあり、真剣に造ってるのか、手を抜いているのか分からない部分もありますが、現代の陶工では真似出来ない大らかさと優しさと味があり、その根底には確かな熟練の技術とセンスを感じます。

この猪豚は顔がユーモラスでお尻がとても可愛いです。大英博物館やメトロポリタン美術館にいる、古代エジプトの青いカバに良く似ています。用途はなんでしょうか、ペーパーウエイトくらいしかないかもしれまんせんが、そこら辺に置いておくと心が和み、癒される事請け合いです。生きづらい世の中ですが、このような大らかさとのんびりさは我々現代人には必要なのかもしれません。とても可愛くて釉薬も青々として萌えるような万緑の美しさを保っています。オススメ致します。

産地:中国
時代:漢時代
寸法:全長約12cm 高さ5cm
状態:細々とした釉薬の剥落のみ。本体無傷

 


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