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風招 秋山郷
アンギンブクロ
 

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もうひと昔以上前のこと、民藝ならぬ古民具ブームがあったのをご記憶の方もいらっしゃると思います。その頃 古民具マニアの間で引っ張りだこになったのが『秋山郷』で生産された木工品やこね板(餅板、そば板とも)の数々。それらは極寒極貧の彼の地にあって、唯一 無尽蔵にあった森林の木材(特に栃)を、雪に閉ざされた期間をかけてほとんどチョンナで刳り抜いて作るという気の遠くなる作業と、半年以上 薪を焚き続ける暮らしで燻され切った賜物としてのトロトロに黒光りするモノ達・・・

それに加え鈴木牧之の著書「秋山記行」の秋山賛歌とも云える記述も相まって、遂に秋山は我々の聖地となったのでした。ある夏、遂にその聖地巡礼の旅に出ましたが、その印象は牧之が評している通り正にいにしえにタイムトリップしたかの如き夢の里山でした。ただしそれはあくまで季節が夏だったからで、実際には一年の半分を豪雪に埋もれて暮らす生活は想像を絶する過酷なものだったに違いないのです。

さてそんな中 一部のマニアが追い求めた異色の存在が、縄文布とも云われる【アンギン】でした。これにまつわる話は尽きないのですが、結局アンギンの実物を手にする事が出来たのは私の周りではただ一人(昨年亡くなられた有名コレクターの方)のみ。それはアンギンの代名詞とも云える[袖なし]と[前垂れ]のセットでしたが、神々しく輝きを放つモノでした。

それから数年、私がこの【アンギンブクロ】と云われる、木こりが山で使う大型の鉈入れと出会ったのはそんな古民具ブームもすでに終わった頃。これが本当にアンギンなんだろうか?本当に秋山から出たモノなんだろうか?と逡巡し、アンギンを見た事がありそうな数人の業者や数寄者に見せたところ3人が反応あり。アンギンだねと言い切る人1人、素材はアンギンと同じだろうと云う人2人。確かに[太編み]という呼び名もあるくらい通常 身にまとうモノより遥かに太くぶ厚いものです。

いつか[袖なし]か[前垂れ]が手に入ったらそれと添わせるつもりで荷倉に放り込んでいる内すっかり忘れ去っていたのを先日再発見(笑)。[袖なし]や[前垂れ]は未だ入手叶わず、すっかり時代遅れになっての出品ではありますが、それらよりも更にレアな一品。参考画像の津南町歴史民俗資料館蔵品は一括重文指定になっており、こちらも文化財級の民俗資料と云ってもいいでしょう。当時 秋山の初荷を出していた買い出し人の荷物との事。

◆ 長さ 45cm、幅 22cm。時代不詳。

【秋山郷】新潟県津南町と長野県栄村にまたがる日本有数の豪雪地帯の山村で、戦後まで中世とほぼ変わらぬ暮らしを強いられていたという。平家の落人集落との伝説も。

【鈴木牧之】1770年(明和7年)、越後国魚沼郡塩沢(現・南魚沼市)生まれ。俳諧・絵・漢詩を学び、越後の文人として江戸の一流の文人たちとも交流した。牧之は秋山郷を初めて調査し、その著書「北越雪譜」と「秋山記行」の中で、厳しくも自然と共に生きる生活実態を世に知らしめ、民俗学の貴重な資料として今日まで高い評価を得ている。牧之は初めて秋山郷に足を踏み入れた時(9月だった)の印象を「桃源(郷)の心地して・・・」と書いている。

【アンギン=編布(あみぎぬ)】1953(昭和28)年に津南の民俗学者、滝沢秀一により昭和28年に秋山郷で発見されるまで、文献でしか知られていなかった『幻の編み物』(民俗学者・小林存(ながろう)が再発見との記述もあり)。カラムシ(苧または苧麻)と云う植物繊維を素材としており、縄文布とも云われる。

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● ご売約となりました。ありがとうございました。
 


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