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半蔵門ギャラリー 行信願経『瑜伽師地論』  

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その発願者、行信僧都(*)の名に因み「行信願経」と呼び慣らわされる天平経『瑜伽師地論巻第五十五』の断簡七行軸装です。

一具のものには『大般若経』『華厳経』『妙法蓮華経』もあり「法隆寺行信発願経(*1)」、「行信僧都発願経(*2)」とも呼ばれます。またその甚だしい虫損から、虫喰経ともいわれますが、
「長寛二年(1164)に法隆寺相慶が修覆を加へて以来、度々整理の際薄紙を以て裏打をし見返しに金箔を散らすなどの装幀が却って虫害を受けたものである」(*2)とのことです。

本断簡も虫喰経の名にもれず、虫害に遭っておりますが、裏打紙の色が本紙に好く合い、墨痕あざやかな力強い書に惹かれ、一見すると気にならないと思われます。

行信願経の中には、奥書を有するもの、無いもの、どちらもありますが、該瑜伽師地論巻第五十五は「神護景雲元年九月五日」の奥書を有するもので、これは「天平神護三年」の上に加筆訂正されております。それは「この年八月十六日の改元によって急遽訂正を加えたものとみられる」(*3)とあるように、「行信願経」の奥書の特徴です。

該断簡と一具の「巻第五十七」が、『唐招提寺古経選』(参考画像)に掲載されております。文字の比較画像からも、同筆とみて間違いないと考えます。

所謂天平経とはややおもむきの異なる、強い個性が感じられる雄勁な書です。古経蒐集家の唐招提寺森本孝順長老がそのコレクションに加えられたことは、この書の魅力を物語るものと思われます。神護景雲元年(767年)
本紙:26 x 13.3 cm  軸:105 x 34 cm  箱・たとう

資料として該断簡の巻末(紀年入り)のコピーをお付けいたします。


*行信僧都
「天平時代の前半に法隆寺の専住となった僧侶で、聖徳太子を思慕し、孝謙天皇がまだ内親王であった時代に、しばしば法華経を講讃した。・・東院伽藍を建立したのも行信の仕事である。・・」『法隆寺の彫刻』


*1『日本古写経現存目録』
*2『日本写経綜鑒』
*3『唐招提寺古経選』

 


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