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口欠けではありますが、手付徳利の手を除いてそのまま縮小したような愛らしい猿投の小品です。化粧道具か神饌具の類いではなかったと思うのですが、刷毛で塗布された緑青色の灰釉もほぼ完存し、女性的なフォルムと相俟って平安の優美さを心ゆくまで味わえる徳利です。花一輪が映えるのはいわずもがな、過ぎゆく夏を惜しみつつ小振りな江戸ガラスの杯と合わせるのも乙なものでしょう。
口欠のほか、頸の根元に微小な当て疵があるようですが漏れはありません。大キズの品ではありますが角ばった心を溶かしてくれる、やさしい猿投です。
幅 72mm
高 90mm
容量 約130cc
付属品:古材柾杉箱
平安時代(12世紀)
◎御約定 ありがとうございました。
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