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余白を活かした構図のなかに描かれるちょっとニヒル?なうさぎが一羽。よく鷹などの鳥と一緒に描かれる場面ですが、上からは松のような植物があるのみ、大きく中央を空けてスッキリとした構図にしたかったのでしょう。そのおかげで食器として美しく料理を盛り付けて完成するものになっています。
厚手の型押しタイプではないですが、それでも古染付は請来された江戸時代には唐渡りの高級食器、裕福な階級の人々しか使えなかったものでしょう。よく旧家のお蔵から十客くらいの単位でお道具として出てきたものですね。
周縁は鋸歯文様、間に梅のような花を四方に散らし、中央に主題のうさぎさん。「俗世間のわずらわしいことなど俺ら知らないよ~」ってな感じでしょうか。上がりもトロっとした白い膚にみずみずしい藍色が映えて文句ないところですね。
七寸皿のサイズなので飾り映えするのも嬉しいポイント、ニュウがひとつあるのは残念ですが、その分リーズナブルに愉しめるとも云えるでしょうか。
もちろん食器としてもそのポテンシャルの高さは以前から皆さんにお伝えしている所、何かいいことがあった日のお酒、そんなときに好みの肴を盛って使って頂くと愉しいと思いますよ。
口径21.2~21.4センチ 高さ3.2~3.6センチ
明時代末期頃
桐箱に収められています。
口縁から約2.5センチのニュウがひとつありました。ごく短いものですしお使い頂くのにまったく支障はありません。また口縁の釉剥けは虫食いと呼ばれるこのうつわ特有の特徴のようなもので、こちらは疵の範疇に入れなくともよいものです。
御売約ありがとうございます。 |
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