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民藝の大きな魅力のひとつに経年変化というのが挙げられるかと思います。いわゆるトロトロ味というやつですね。お好きな方はこればっかり集める方もおられると思います。
さてこれはそんなものとは真逆のスッキリ白サビ状態の小机ですね。流水文のような木目のリズムが見ていて心地よいものになっています。材は松を使用しているようですね。
神さまの御前で供物を捧げる為の台だったんじゃないかと想像していますが、どうでしょうか。天板にホゾを切って角材をはめ込みそこに脚を差し込む作りなので、なかなかに気を使っていますね。普通よく見かける寺子屋机や帳場の机はもっと手脂と煤を被ってテロテロになっているものですが、これは木地のまま時間だけが経過したという感じ。しかし後々には上で作業をしたようで刃物痕や朱墨なのかインクなのかそんなものの痕も見られますので転用したのかもしれませんね。
通常の寺子屋机とはまたスケールが違って(普通の寺子屋は奥行一尺、横幅二尺八寸というところですね)奥行きが少しあって横幅がちょっと狭い、特注だったんでしょうかね。泥ずりと呼ばれる畳付部分の材は釘でジョイントしているのですが、この釘も現代のものじゃない角形の鍛冶屋さんが作った江戸や明治頃の箪笥に使用している釘なので時代感もあるものになっています。
そうなると少し奥に書物なども置いておけるので、座辺の小机として重宝するものじゃないでしょうか。
現代ものの家具屋さんには申し訳ないですが、我々古いものが好きな人たちはやはり身の回りのものも古い調度が合いますよね。普請にまで手を広げるとなかなか大変ではありますが、こんな机ひとつ、座辺にポンと置くだけで愉しめるものじゃないでしょうか。
横幅75.5センチ 奥行46.9センチ 高さ27.5センチ
脚部や天板の一部に虫食いで荒れたところが見られますが、表層で止まっておりこれ以上進む不安感はありません。また経年変化で材に割れが生じている部分もありますが、これもグラグラするような感じはなく、お使い頂くのに使用はまったくありません。
画像にあるデスクライトや本は付属いたしませんのでご了承ください。
御売約ありがとうございます。
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