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高取・内ヶ磯窯(1614~1624)の代表的な器形と云える、掛分沓形茶碗。
所謂‘織部好み’の造形で、内ヶ磯窯の発掘調査が行われるまでは、「朝鮮唐津」・「斑唐津」等に分類されておりました。
その造形をそのままに、二回りも三回りもギュッと小さくした同窯の非常に珍しい盃です。
‘珍品’の要素は様々で、「サイズ」「形」「文様」「釉調」等々ありますが、その珍しいただ一点を除いては見易くなければと考えます。
古格ある飴釉をベースに黄褐色の斑文が散見出来る藁灰釉が1/3程度施され、竹の節高台には鉄分の多い特徴的な胎土(茶碗に使用される胎土とは違い、向付に使用されるタイプ)が確認できます。胴には一段くびれを設け、全体を緩い三角形に歪ませております。
元来の用途は判りませんが、向付として生まれたのであれば数をもっと見るでしょうし、余った胎土で陶工が遊んだのかも知れません...
流石に「王」字の刻印こそありませんが、古高取の珍品かつ名品としても差し支えない、ミュージアム・ピースと云えるかと思います。
大きさは違いますが類品の画像を添付致しました。(最後の画像)
無疵・伝世。
口径 7.2cm
高さ 4.1cm
桃山~江戸初期/箱・仕覆付
参照画像・・・「大名茶陶ー高取焼」p123
ご売約、ありがとうございました。 |
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