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大きく頸を傾げたその立ち姿に思わず笑みをさそう三島馬上盃です。
見込みを覗くと、ベージュがかった艶やかな淡灰色の肌に、白土の象眼模様がアバウトに並びます。それは、一つひとつの形、大小、濃淡など実に様々で、おおらかな気分を醸します。
状態
大きく二つに割れ(a〜b)、見込み中央は銀泥で塗り込め(1.2 x 1.6 cm)られ、口辺に大小三カ所(c,d,e)欠けがあります。
これらのキズは、みな丁寧に銀繕いされ、その鈍い銀色は、三島の淡灰色と暖かみのある白土の肌にとても良く映り、銀繕いした人は愉しんだのかもしれない、などと思ってしまいます。
また見込みには、ぷっくりと小さな火ぶくれが三カ所あり、高台には小さな欠け(f)があります。
のびのびと作られた三島馬上盃が持つ面白さと、後世の銀繕いの美しさが溶けあった、見て愉し、使って美味し、三島です。
御酒を注ぎ入れるのはもちろん、イクラなど映えるかしらん等々、色々お愉しみいただけます。
口径:10.6 〜10.9 cm 高さ:7.8 〜 9 cm
箱はございません。
・ゆらすとゆれますが、普通に使用される妨げとなるものではありません。
・a:幅約1.5cm、c:幅約7mm、d:幅約7mm、e:幅約4.2cm、f:幅約5mm
・口縁のコボツに見える箇所は、釉がのっており、窯キズです。
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