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木の塊から削り出して作る脚が特徴的な、九州は肥後の国熊本の矢部盆。今回は定番の形ながらとても好ましい味のそれが二つ手に入りましたのでご紹介いたします。
縁の立ち上がりも一体成型で丸みを帯びて内側は垂直に削り出しています。見込みの弁柄漆には経年変化の肉痩せでうっすらと素地の木目が見えていて、刷毛塗り痕の見える漆の凹凸に味が染み込み、いい根来のような質感に変わっています。
裏側の斫り痕がまた見所、ゴリゴリ、ザクザクと削り出しているときの刃物の音が聞こえてくるような気がします。所有していた旧家の屋号でしょう、それらによく使われる山形に「治」、やまじと読むのでしょうね、一つには苗字の片山というのまで入れられています。
二つまとめて仕入れましたが、一つだけでとのご希望もあろうかと思いますので、分けて販売させて頂きます。どちらもコンディションについては優劣はなく良好なものです。
(A) 直径26.3~27.1センチ 高さ5.4センチ
(B) 直径25.8~26.8センチ 高さ5.9センチ
江戸時代後期頃
御売約ありがとうございます。 |
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