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半蔵門ギャラリー 古写経『飯室切』  

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魅力的な古写経断簡の軸装です。
割注の小ぶりの文字はピリっと緊張感がある一方、大字の方は、大聖武を彷彿とさせる堂々と強い文字で、ねばりが感じられます。入筆時、筆先が料紙に着地する辺りなど、なまめかしいまでに繊細な動きをみせます。
千年を優に超える時を経た料紙に遺された、墨の跡、躍動する筆の動きを、ゆっくりと味わっていただけます。

タイトル『飯室切』(*1)は本断簡のツレ、五島美術館蔵『染紙帖』(*2)にならいました。本断簡は『染紙帖』の次にくる部分です。経文のつながりに加え、面白いことに、虫損の複雑な形が同じなのです。こんなところも古写経の楽しいところです。
また本断簡では誤写の訂正に二つの方法が見られます。一般的な、擦り落して上に書きなおす方法(*3)と、黄色の塗料を塗り上に書く、珍しい方法です。この辺りも写経生の心の内を想像しつつ楽しんでいただけるかと思われます。

内容については、大字の部分は『成唯識論』(*4)の巻第九からですので、『成唯識論』の注釈書かと考えます。

鈍翁が断簡収集から深くかかわったとされる『染紙帖』のツレ、大変珍しい古写経切です。天平後期の写経生の書風を色濃く残す、平安初期の古写経の優品に、付加価値、鈍翁の眼、が加わります。 
9世紀 太巻 軸:114 x 31.5 cm

*1
『飯室(いいむろ)切』は、伝承筆者を嵯峨天皇とし古来より珍重される古写経切です。その名の由来は比叡山横川(よかわ)の飯室別所に伝来した為といわれています。多くの名物写経同様、著名な手鑑に貼られており、その多くは『金光明最勝王経註釈』、次に『勝鬘経』が続くようです。例えば前者は『見ぬ世の友』に、後者は『翰墨城』『藻塩草』ですが、徳川美術館蔵手鑑『鳳凰臺』は『四分律刪繁補闕行事鈔』であったりします。

*2
古写経の断簡のみを集めた手鑑・・古写経の名品、料紙の美しい教典を一度に見ることができ・・教典のみを集めた手鑑の中でもっとも質が高いものである。
『写経入門』淡交社

*3
これは別筆の可能性も否定できませんが、墨色が近く、同筆の可能性もあります。ここで滲んだので、黄色い塗料を塗る方法に変えたのかもしれません。

*4
上三行『染紙帖』、続く一行は本断簡です。
「非所縁。縁色等時應縁聲等。又縁無
法等應無所縁縁。彼體非實無縁用
故。由斯後智二分倶有。」
「此二見道與六現觀相攝」

どうもありがとうございました

 


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