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古美術 吉戸 大田垣蓮月竹節茶箱  

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江戸時代後期の尼僧であり歌人、そして陶芸家でもあった大田垣蓮月の茶碗の仕込まれた素晴らしい茶箱です。大田垣蓮月(1791−1875)は江戸時代後期から明治にかけて生きた京都の生まれで、凄まじい業を背負わされた女性でもあります。

知恩院門跡に勤仕する大田垣光古の養女になり、同じく光古の養子であった望古と結婚し三人の子をもうけますが、長男、長女、次女を相次いで幼くして亡くし、続いて夫も亡くします。その数年後に、養父が引き受けた新たな養子である古肥と再婚しますが、夫が他界。その後、養父とともに仏門に入り、蓮月と号するようになります。出家から数年、唯一生きている身内であった再婚相手との子も他界し、ほどなくして、養父とも死別し、蓮月はついに天涯孤独、身寄りのない独り身となります。

蓮月は生まれ育った知恩院を去り、現在の京都市左京区に移り、生計をたてるために「蓮月焼」を生み出し、お土産として販売しながら糊口を凌ぐようになります。自詠の和歌を釘彫りで刻む独特で力強い作風が人気を博すようになり、次第に売れっ子作家へとなります。晩年は若き日の富岡鉄斎を侍童として共に暮らし、後の鉄斎に多大な影響を与えました。

85歳で死没するまで、質素な生活を通し、京の町でたびたび飢饉や災害が起こるたびに私財を投げ打って、困窮した人々を救いながら暮らしたと言われています。地獄の業火に身を焼かれるような想いで、それでも尚、仏門の道を真っすぐに正しく生き抜いた強い女性です。そのような人間性からか、海外での評価も非常に高い作家でもあります。

作品に目を向けますと、立派な竹の節を使用して箱に仕立てた茶箱からは、仕覆に包まれた蓮月のキレのある作行の茶碗「蛍のみ しだらくなりて 夏木立 月に言うとき 葉隠の庵」という自詠の和歌が刻まれています。大意としては、「夏の宙には蛍のみ。なんだか気だるく、木にもたれなからぼんやり月を眺めて呟く。私は独り。」という虚無感と天涯孤独の我が身の寂しさを偽ることなく、隠すことなく綴っています。強い女性像のイメージが色濃い蓮月ですが、秘めた心の内にはずっと寂しさと孤独が生涯つきまとっていたのです。蓮月の印も木にもたれかかる自身の姿を文字化したものです。人生に絶望し、それでも失った家族の分まで強く生きた女性です。「蓮月の作陶は子を産む気持ちだったのだ」と研究者の先生に教えて頂きました。蓮月焼真作もちろん保証致します。

取り合わせられた砂張の建水、竹の棗、茶筅筒、茶筅、茶杓がぞろぞろと。まさに竹尽くしの風流な趣向を凝らした逸品です。それらが更に黒塗りの桐箱に収められる非常に豪華で、しかし蓮月の人間性、精神性を尊ぶような楚々とした質素な組み合わせとなっております。それぞれの作品はあるでしょうが、この取り合わせは世界に唯一。とても素敵な茶箱です。蓮月の人生に想いを馳せながら一服、いかがでしょうか。蓮月を想う時、きっと私達も強くなれます。

産地:日本(京都)
時代:幕末
状態 : 伝世 無傷 完品
寸法:竹の節茶箱 高さ約11.7cm 横15cm 縦12.5cm
茶碗 口径約9.5cm 高さ5.1cm

御売約ありがとうございます
 


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