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名物手茶入に用いられた南宋の小壺(元は薬壺という説が有力です)と同環境で焼成されたと思しき小壺に京都の陶芸家、永楽善五郎が青磁の蓋を誂えて香合に仕立てたものです。蓋を製作したのは作行から十代了全かと思いますが、この渋い小壺に蓮を象った青磁を合わせたところが本品の最大の見処でしょう。古備前水指に明代赤絵の蓋を合わせる等、古の茶人は一見奇抜とも思える選択をしておりますが、その遊び心が「数奇者たる」所以なのかも知れません。
無疵完好。永楽家が蓋を造った覚書(証書)と極メが附属しておりますが、中京の数奇者、森川如春庵の道具を多数お持ちだった御宅からの蔵出で、大変筋のよいお品です。ここでは小香合としましたが、茶箱(籠)に仕込む茶入としても面白いかも知れません。
高 60mm
幅 45mm
桐共箱、覚書/極メ各一葉、風呂敷附
壺 南宋時代
蓋 江戸時代
◎早々の御売約ありがとうございます。
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