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東大寺伝来『二月堂焼経』と呼び慣らわされる、紺紙銀字大方廣佛華厳経三行軸装です。
「寛文七年(1667)二月、東大寺二月堂が消失した際に、その焼け跡から発見された。・・天地に焼損があることから「二月堂焼経」の名でよばれる・・謹厳整斉な文字は奈良時代中期のすぐれた写経生の手になるものと推測される・・銀は酸化して黒く変色するが、この銀字は今も白く輝き、紺紙との対比によって清澄な美しさを感じさせる・・やがて大半が寺外へ出てしまった」
『東大寺のすべて』
表具の上下は白茶、一文字と風帯は焼け焦げ色で、中は濃紺の高野裂です。
焼痕と一文字、中と紺紙が、白茶を背景に静かに響き合い、幽玄な二月堂焼経の世界をお愉しみいただける一幅と思われます。
二月堂焼経は焼損や銀字の酸化など状態は様々ですが、本紙は総じて佳い方の部類に入るものです。
太巻 軸:114 x 29 cm
大方廣佛華嚴經卷第十五
金剛幢菩薩十迴向品第二十一之二
壽命迴向知一切法眞實無(有自在迴向一)
切諸法無福伽羅迴向觀察一(切諸法離諸)
忿諍迴向一切諸法從因縁起(無有堅固迴)
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