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いろんな色を被せた硝子も美しいものですが、個人的な好みで云えばなるべく透明でシンプルなものを選んでしまいます。それはきらきらした光の反射がいちばんストレートに感じられるからでしょうか。
このうつわ、もともと水差と思いますし、もちろんその用途で使って構わないものですが、ここはやはり徳利代わりにお酒を入れて愉しまれるのがいいんじゃないでしょうか。もっともこんなことは個人的なことで、お持ちになられた方が自由に使っていただければいい話しなんですが、たまにはこんな変化球も大いにありなんじゃないかと思います。
底はかなり分厚く作ってあり、吹き棹のポンテ痕を研磨してフラットにした丸い痕が残っています。なかなか画像でわかりにくいかもしれませんが、轆轤目のような横方向の筋が無数にあるのは石綿を当てて成形した時の痕でしょう。本来はそういう筋は無い方が上手なんですが、意外とそんなところが時代を感じられる好ましいポイントでもあります。
格子状に入った切子文様は定番ながら一番光の反射がきれいに映えるもの、これも職人がひとつひとつグラインダーに当てながら入れているものです。またこの切子文様は手に持ったときのすべり止めの役目もあるのでしょう。
決して高価なものではないけれど、あるとうれしいうつわのひとつじゃないでしょうか。
口径8.9センチ 高さ13.6センチ
大正~昭和戦前頃
無疵です。
御売約ありがとうございます。 |
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