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仏教美術がお好きな方にはもうおなじみ過ぎる元興寺極楽坊伝来のお地蔵さんです。右手は垂下し左手には宝珠を持つ定番の像容ですが、石田茂作博士は『瓦礫洞古玩録』の中で、この元興寺伝来の地蔵について「(右手に)錫杖を持たないスタイルは古様と云える…」と云った主旨のことを述べられています。
◆ 本品はお顔がかなり大きく、通常のものよりヤケに迫力があります。そして本像は衣紋の彩色が非常に良く残っており、これほど状態の良い個体は昨今では稀になって来ました。元興寺の千体地蔵を目にする頻度も年々減っていく気がしますが、昨今では望み得るほぼ最高の状態と言っていいでしょう。尚、お顔は耳・口のみを彫り表し、目鼻は彩色で表現していたものと思われます。
◇ 鎌倉末〜南北朝頃。 像高10,6cm。
◉ ご売約となりました。ありがとうございました。
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