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古墳時代の須恵器 蓋坏です。
古い形式の蓋坏です。
蓋の大部分を自然釉が覆い、受けの身の部分にも
剥落がございますが自然釉が流れています。
須恵器の中でも比較的見る機会のある蓋坏ですが、
本品のように鑑賞に適う品は少ないものです。
径：最大15.5センチ 高さ：8.3センチ と大振りで
張りのある形姿が魅力の蓋坏です。
静謐な中に野趣と強さを秘めた蓋坏だと思います。
明治～戦前頃の古い箱には貼り札があり、
神代土器蓋物 羽咋姫塚出土 とあります。
羽咋（はくい）ですので能登出土の須恵器のようです。
羽咋 姫塚で検索していただくと、由緒をご確認
いただけます。
姫塚は七尾線敷設時に移転していますので、
その際に出土した須恵器でしょう。
蓋はほぼ無疵、身の口縁と受けの部分にホツレ。
（画像右列二段目）
蓋がやや反っていることもあり、
ぴたりとは合いませんが、土味や状態から
同一窯で制作されたことは
間違いないと思います。
焼成が良いこともあり中世古陶の珠洲に通じる
気分を持つ須恵器です。
鑑賞に、花器や小物入れ、香炉に見立てても
お楽しみいただけます。
ありがとうございました。 |
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