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古童 美濃伊賀 花生  

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古美術の世界、とりわけお茶道具の世界は門外漢にとっていとも難解な用語が多くて面食らってしまうこともしばしばですね。これもそんなもののひとつかもしれませんね。

利休から織部の時代へ移行して、その茶の世界のコンセプトは「ひょうげる」と云うものに変わっていきます。ごくごくシンプルで宗教的な中世的世界観のお茶から、デザインの奇抜さ、新しく請来されたヨーロッパや南方の珍奇な渡りものから着想を得たダイナミックで斬新なお茶になっていく、それはまさに桃山文化のなかで鮮やかな花を咲かせた時代の美と云えましょうか。

この頃、伊賀で焼かれた一連のやきもの、激しくダイナミックな変化を付けた花生や水指がお道具の世界を席巻していました。また室町末期頃から、瀬戸黒や黄瀬戸、志野で時代をリードした美濃の窯も次第に変化を余儀なくされていきます。その同時期に焼かれたのがこちらの花生、いわゆる美濃伊賀と呼ばれるもの。美濃の地で焼かれた伊賀風のやきものということです。(余計なことですが他の窯のデザインを取り入れた美濃唐津などと云うものも焼かれていた時代です。)

意図的に歪ませた造形、そしてヘラで線彫したり、木型を使った叩き目など時代の好みを反映させた、「へうげもの」のうつわに仕上げています。自然釉が降りかかったのだと思いますが、表面の碧もキレイな花生ですね。白い素地に薄く水釉を掛けたこの美濃伊賀は、ほぼ水指か花生に限定されて作られています。しかしその中でもこの花生、まるで鉄漿壺のようなかたちがおもしろいところじゃないでしょうか。(花生はもっと細長い古銅器写しのようなかたちが多いと思います)金具も古い釜鎖のパーツを流用しているあたり、かなり数寄者愛用の花生だったように思われます。

参考画像はまったく同手というわけではありませんが、その造形センスに共通するものは感じて頂けるのじゃないかと思います。またこの美濃伊賀はそのほとんどが現在の土岐市にある元屋敷窯で焼かれたものです。現地の資料館などのぞくとサヤ代わりにこの美濃伊賀の水指を使って、なかに織部の筒向付を入れた発掘品などがあります。

むかし岐阜の骨董やさんを廻っていたとき、この美濃伊賀の陶片ひとつ見つけて歓喜したものです。(当時は、この美濃伊賀はもちろん志野や織部の完器などまったく扱えませんでしたが・・。)

桃山という時代の好尚を孕んだ、ちょっとマニアックな花生、お手許でぜひ茶花を活けて愉しんでみてください。

高さ10.0センチ 胴径12.9センチ

江戸時代初期

桐箱に収められています。

口縁部はぐるりと欠損しています。もしかすると口縁部は窯の中でハゼてこわれたのかもしれません。小さな破片が中に溶着しているようです。また底には窯疵があり物原に捨てられたものを数寄者に取り上げられたことも考えられますね。その窯疵は樹脂状のものでふさがれています。その他に口縁から短いニュウが2本入っていました。

水は直接張るとやはりじんわりと滴るようです。気になられる方はおとしのご使用をお勧めします。

御売約ありがとうございます。
 


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