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畠田尼寺は奈良県斑鳩に近い王寺辺り、7世紀後半・飛鳥~白鳳期に創建され、天平の末頃には廃寺になりました。今も残る巨大な礎石は伽藍の規模の大きさを物語っています。
この断片は鬼瓦の、向かって左側の目(つまり右目)から眉間にかけての部分ですが、突起した目は大変力強く、顔の一部分だけなのにもかかわらず、とても迫力があります。畠田尼寺の鬼瓦の写真資料がなく照合できませんでしたが、裏面『畠田尼寺』と書かれた墨書は時代を考証して違和感はなく、信憑性のあるものと思われます。
◆ 16,5cm×19cm、厚さ: 6,5cm。2つに割れていますが、断面はピタッと一致します。
全体像をイメージして頂く参考に『日本の美術 No.66 古代の瓦』より【大安寺 鬼瓦】の写真を転載いたしましたが、いずれにせよこの時代の鬼瓦の遺品は極めて少なく、掲載品は重文に指定されております。 |
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