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なんとまあ!、鮮烈な赤い火色が出たお茶碗でしょうかね!、好きでいろいろと扱ってはきてはいる唐津と云うやきもの(なかなか扱えないものもたくさんありますが・・)ですが、やはりその土味に魅力のあるものがいいもんですね。
高台周りに現れたこげ茶から備前の火襷のような鮮やかな赤への変化、きれいなよく溶けた釉と相まって美しいコントラストです。やはりこの土味の愉しさが唐津の醍醐味と云えるでしょう。
また造形もちょっとうれしいのは、口縁下に轆轤成形時の指がグッと一段強く入ってそのまま立ち上がっているのでやや縦長のように見えるところですね。口は天目茶碗のようないわゆるスッポン口になっていて、そこに持ち手の指や唇がジャストフィットして酒器にもいけそうです。窯ワレなどがあっていびつなかたち、上から見ると桃のようなかたちになっています。こんなイレギュラーも古陶磁の面白味でしょう。
小服茶碗でもたっぷりとした酒器としても、いろいろと愉しみ甲斐のある碗、お客様の座辺愛玩の一品となればうれしく思います。
口径10.0~10.7センチ 高さ6.3~6.6センチ
桃山~江戸初期
格子文様のお仕覆と印籠蓋の時代箱に収められています。
発掘伝世でしょう、しかしその中では抜群にコンディションのいいもの、口縁に3か所銀繕いが
ありますが、これも疵と云うよりひっつき痕の引っかかる部分を均したという感じで、大きなダメージではありません。
見込みには干割れや釉切れが見られますが、これもまったくお使いになるのに支障はありません。むしろ景色と云ってもいいくらいじゃないでしょうか。
詳細はお問い合わせ下さい。
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