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数々ある朝鮮陶磁のなかで、白磁はいちばんストレートにその膚の魅力を感じられるものじゃないでしょうか。初期官窯の厳しい造形も後期分院の柔らかな白もみんなそれぞれに素晴らしいものなのは、皆さんよくご存知のこと、オークションなどでも大壺などミュージアムピースの名品が出て、高額に落札されていますね。
そんな白磁の端くれなのかもしれませんが、これはなかなか捨てがたい魅力を持っていることでは負けていません。庶民代表でも、毎日のリラックスしたお酒には自然と登場する機会はこちらは多いのではないかなと思います。
たっぷりとしたサイズでお茶碗がそのまま小さくなったようなボディ、やや厚めにぽったりと作られています。腰がグッと張ったかたちなので見込みが広々と気持ちがいいですね。口縁には稜線が立っています、轆轤の時の手癖のようですが、装飾のようにも見えますね。高台には目痕が五つ、高台内にも釉薬を掛けています。ごりごりとした轆轤目、ピンホールや釉切れなども景色のひとつ、しっかりと焼けてはいても、堅い印象はあまりなく、じんわりと好ましい膚で気持ちよくお使い頂けると思います。
豪快な鯨飲にはうってつけの酒盃ですよ。
口径9.7センチ 高さ4.8~5.0センチ
朝鮮時代
桐箱に収められています。
口縁からニュウがひとつ入っています。口縁や胴の一部に削げのように見える部分がありますが、これらは釉切れですので疵ではありません。
御売約ありがとうございます。
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