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毎日の晩酌を欠かせないとおっしゃる方も、純粋に塗物がお好きとおっしゃる方にもお勧めしたいしっとりとした味わいの膳ですね。
見込みには経年変化により下塗りの黒漆が覗き、細かな無数の断紋がいい味わい、研ぎ出さない刷毛痕が残る溝の部分にも味が入り込んでいますね。朱の色も京都辺りでよく使用される洗い朱の明るすぎる色ではなく、不純物を含んだやや暗く沈んでいる渋い色味、落ち着いた佇まいを見せてくれます。
低い脚の部分にも刷毛痕があり、そこにも味が染み込んでいます。縁の立ち上がりの天の部分は蒲鉾形に丸く、ボディ全体の畳付(脚があるので正確には接地しませんが)のカーブにも丸みを帯びている古格を感じるものです。
好みの酒器を乗せての晩酌、美味しい煎茶を入れたスキっとした白磁の碗を乗せたり、金銅仏などを上に置いてもキレイかも、お好みでお使い頂き、味わいをお愉しみください。
34.8×35.7センチ 高さ6.7センチ
江戸時代前期~中期頃
経年の擦れ、割れ、などはありますが、お使いになるのに支障はありません。
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