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昔から定番の酒徒の憧れのセット、根来の折敷に備前の芋の子、唐津の筒に織部の向付、なんてのが呪文のように唱えられて、興味のない人から見れば、何だか訳が分からない戯言と受け止められていると思います。がしかしその使い心地を実際に確かめてみれば、どなたにもその風情や使い勝手などの良さは伝わるものではないでしょうか。
さてそんななかの一つ、根来の折敷をご紹介させて頂きます。縁の立ち上がりが低く、上部が丸みを帯びる古格のあるかたちです。使い込まれているわけではないのですが、その分大事にされたと云うことでしょう。見込みにはダメージと見做して後世に漆で補修したところもあります。至極丁寧に扱われてきた証ですね。近世の根来と違って朱がやや深い赤みの強い色、そこに断紋に沿って下塗りの黒が出てきています。裏側はしっとりと黒い質感のところに、やはり断紋が入っています。
毎日のように使う盆としてこんなタイプがとても重宝するもの、上に置く酒器を選ぶ愉しみがまた増えますね。派手さはないものの、それだけに登板機会が多い折敷じゃないでしょうか。
35.5×35.8センチ 高さ2.9センチ
桃山~江戸時代初期頃
経年の擦れや打痕、隅の亀裂などがあります。お使いになるのには特に支障はありません。
最後の画像のうつわは付属していません。ご了承ください。
御売約ありがとうございます。
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